H17年一紅会新春講演会 講師 渡辺房男様(S38卒)からのメッセージ

昨年の一紅会でのわたしのつたない講演にお集まりいただきありがとうございました。
 歴史探訪の楽しみの一端でもわかっていただければと思い、お話し申し上げました。
 あの後、夏、8月には、やはり「幕末維新の旅・奥羽越列藩同盟パート4」として、
 角館、秋田、酒田、鶴岡へ行ってまいりました。
 幕府側として最後まで戦った庄内藩、いち早く官軍側についた秋田藩、その対照的な
 ふたつの藩の実態を現地の行脚でたどりました。
 3月21日の一紅会には、出席しますので、また、みなさんと歴史談義ができることを
 楽しみにしています。
 
 それから、一年ぶりですが、新作が「文藝春秋」から刊行されます。
 「円を創った男 −小説 大隈重信ー」です。
 初めて、評伝小説に取り組んでみました。しかし、大隈の全生涯を辿るのではなく
 慶応4年1月の鳥羽伏見の戦いを長崎で知った佐賀藩貿易方の大隈が
 日本の円を機軸とした幣制を作り上げる明治4年5月の新貨条例までの
 3年余の姿(29歳から33歳まで)を描きました。
 早稲田大学の功なり名を遂げた銅像の大隈ではなく、政府中枢に駆け上ろうと
 する若く熱気にあふれた大隈重信です。
 2月9日頃には、書店に並ぶと思います。是非、ご一読いただければ幸いです。
 いつもながら、38会のみなさまのご支援とお励ましを支えにしております。
 よろしくお願いします。

出版案内 2007年10月28日 追加
命に値段付けます
渡辺房男 著
出版社:実業の日本社
四六判上製 296頁 / 定価 1,890円(税込)
明治十年代はじめ、庶民の暮しを守ろうと「人命」保険結社を立ち上げた男・角田小太郎…明治期に産声をあげた日本の生命保険事業を描く傑作歴史長編
脱税許すまじ
著者:渡辺房男
出版社:発行所 日本放送出版協会
価格:1800円
判型:B6
増税だけで国家の財政を再建することはできない。日本初の脱税摘発に乗り出した男の生き方を描きつつ、日本の近代化と資本主義化の影の側面を捉え、税の公平とは何なのかを問う、書き下ろし歴史小説。
円を創った男 小説・大隈重信
渡辺房男/著 、文藝春秋 、2006年2月発売
価格:1,995円
旧幕時代の複雑な貨幣制度を廃し、統一通貨を「円」と命名する。
若き日の大隈重信の苦闘を通して、近代国家誕生のドラマを描く

日経朝刊 2006年3月5日より